装具の調整 脳梗塞・脳出血退院後の装具検討の重要性 宇治市・城陽市地域リハビリ施設のブログ
2023年05月3日
脳梗塞リハビリ・のぞみ京都の理学療法士の塩見です。
先日、義肢装具士さんにお越しいただき、利用者さまの装具検討を行いました。
利用者さまは、麻痺側下肢の支持性が向上し、歩行が安定してきたため最近は装具のベルトを外して歩くようになりました。
『ベルトを外しているけど、この装具のままでいいのかな?』『自分の体に合った別の装具を考えた方がいいのかな』と疑問を感じてらっしゃいました。
このように、病院退院後に装具のことでお悩みの方はたくさんいらっしゃるかと思います。
そのような方々に装具を調整することの大切さをお伝えします。
装具を調整することの大切さ
装具を使っている方の中には、装具が体に合っていないままで病院入院中に作成した装具をずっと付けている方や使い古して不具合が起こっているまま使っている方などいるのではないでしょうか?
体は良い状態にも悪い状態にも時間の経過とともにどんどん変化していきます。
体の状態に応じた装具をつけなければ、歩行機能の低下や持っている機能を生かせない状態になってしまいます。
定期的なチェックやメンテナンスは必ず必要です。装具でお困りの方はぜひ脳梗塞リハビリのぞみ・京都にご相談くださいね。
装具を検討中の利用者さまのご紹介
ここからは、実際に装具検討をした利用者さまのご紹介をします。
40代男性
歩行能力:屋外はSHB(プラスチックの足関節が90度で固定されている装具)をつけて、杖歩行自立
活動範囲:電車を乗って京都から九州や東北にお出かけされたりと、かなり活動範囲が広い
歩行の変化:歩行の中で麻痺側の股関節伸展位(股関節が後ろに伸びている姿勢)の状態での足の支えが強くなり、歩幅が広く保てるようになってきた。歩幅を広げても膝折れや膝のロックが見られなくなってきた。
装具の適合性:
股関節の伸展が自然に出るようになってきているのに、今の足関節90度固定の装具では股関節伸展を装具によって阻害されている
↓
向上した身体機能を生かせない装具を使っている
↓
装具が合っていないことで骨盤の捻じれや体幹の傾きを助長してしまう
↓
足首の自由度が出る装具にすることで、自然な股関節伸展を促せる
このように、身体機能がステップアップしているのに装具が邪魔をしている状態でした。
身体機能に合った装具をつけることで、より効率的な歩行を獲得でき、ステップアップすることができます。
足首の動きが出る装具であれば何でも良いという訳ではなく、利用者さまの普段の生活も考慮して選ぶ必要があります。
この利用者さまは、かなり活動範囲が広い方なので、足首の自由度を出しながらも耐久性のあるもので、ある程度下腿全体をサポートできる装具が必要になります。
そのため、これまでの装具から急に大きく機能を変えず、踵がくり抜かれる装具を試してみました。かなり上手に歩かれていたのでしばらく踵がくり抜かれた装具で練習することにしました。
また、病院での装具検討と違い、生活期の装具検討は慎重になる必要があります。
自分の生活があり、長い期間同じ装具で歩かれているため、急に装具を変えると普段との違いから体に痛みなどの不具合や屋外を歩いていてバランスを崩して危険が生じる可能性があります。
直ぐに判断するのではなく、しばらくリハビリ中に練習をして、慣れてくるであろう半年後を目安に装具を変えることにしました。
これは、利用者さま一人ではなかなか状態を理解し、判断することは難しいですね。リハビリ専門の理学療法士と義肢装具士がタッグを組むことで身体に合った装具を選ぶことができます。
一人で悩まずお気軽にご相談ください。
装具の機能・身体機能に合わせて一歩ずつ前進
もう一つ大切なことは
一歩一歩前進していくことです。
装具無しで歩けるか、歩けないかではなく、経過に応じて機能を生かせる装具を選ぶことが大切です。
今回の利用者さまのように、股関節が伸展できるようになってきたことは、ほんの少しの変化かもしれませんが、この些細なことが歩行の効率性を良くし、歩く速度を速めるポイントになります。少しずつの前進が積み重なり、大きな変化に繋がります。
焦らずゆっくりと自分に合った装具を選び、前進していきましょう。
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