1回の体験リハビリで歩き方が綺麗になる!? 〜体験リハビリ利用者様のご紹介〜

2021年08月21日

こんにちは♪

脳梗塞リハビリのぞみ・京都の理学療法士の塩見です!

本日は、『歩き方を綺麗にしたい!!』との希望で体験リハビリに来てくださった利用者さまのリハビリ内容を紹介をさせていただきます。

 

●綺麗に歩くコツを知りたい!

●歩く時に体が前傾してしまう!

●杖に頼ってしまう!

とお困りの方へ。。。

 

『綺麗に効率よく歩くためのポイント!』

『崩れてしまった歩き方を改善させる方法!』

を一つずつ解説しますので、ぜひぜひ参考にしてください(^^)

 

〜今回の内容〜

①一回の体験リハビリによる改善例!

②どのようなリハビリをしたの?

③自宅でできる気を付けるポイント、自主練習方法!

 

一回の体験リハビリによる改善例

歩行時に体が前傾してしまう。。。とお悩みで、姿勢を綺麗にしたいとのご希望で体験リハビリを受けてくださった利用者さまです。

まずは動画をご覧ください(^^)

 

姿勢が綺麗になられていますね!

☆良くなった点☆

①体幹の前傾が軽減し、体が起きるようになった☆

②腕の筋肉の緊張が緩和し、巻き肩が軽減している☆

③足の開きが少なくなっている☆

④左足にも体重が乗るようになり、体の軸が正中に近づいた☆

⑤杖に頼るのが減り、体の軸が正中に近づいた☆

 

歩行時、体の軸が右に傾いており、左足は腰での引き上げや左足への荷重量が少ない状態でした。

また、左の股関節の動きが硬く、前方へ進む推進力が得られないため、体幹を前に傾けた姿勢

で歩かれていました。

 

このような姿勢を改善させ、より効率のよい歩行を獲得するために、

『パターン化している姿勢・動きの改善』

に焦点を当てたリハビリを行いました。

 

どのようなリハビリをしたの?

普段自宅で取り組まれている自主練習の内容や過ごし方を細かく聞き、姿勢が崩れてしまう原因を考えました。

そこから、姿勢の癖を探し出し、良い姿勢へ導けるように修正するようなリハビリを中心に行いました。

 

ー癖ついた姿勢の修正ー

普段、自宅で自主練習をする際に座った姿勢で“股関節を上にあげる運動(足上げの運動)”をよくされていました。

実は、その運動が歩行時の姿勢の崩れに関係していました。

股関節を上にあげる際に、股関節の筋力ではなく、腰の力で骨盤を引き上げ、体幹を前傾させることで、足を持ち上げていました。さらに反動で足を上げようとするため、体のいろいろな部分の筋肉の緊張が高まり、本来必要な筋肉が使いにくい状態となっていました。

脳梗塞や脳出血などの後遺症で運動麻痺になると、筋緊張の異常が生じ、動かしやすい姿勢で固定されてしまうような運動のパターン化が生じます。

パターン化された特定の動きを続けることで、その姿勢が癖づき、日常生活動作の中で動きの阻害になる可能性があります。

この利用者さまは、パターン化された動きの繰り返しにより体が前傾する動きが癖となり、歩行時にもその姿勢が現れるようになっていました。

 

ーリハビリ内容ー

①骨盤の引き上げを改善!

骨盤の引き上げは、麻痺側の荷重量の低下や体の傾き、歩幅の短縮、腰痛の原因になり、効率の良い歩行獲得の妨げとなります。

まずは、骨盤と腰部の柔軟性を上げ、骨盤と腰が分離して動かせるような運動を行いました。

また、股関節を曲げる運動を多くされていたため、股関節前面の筋肉が異常に硬くなっていました。そこで、歩行に大切な股関節を後ろに伸ばすストレッチや後ろに力を発揮させる運動をしっかりと行いました。

 

②コアマッスルの機能向上

足の運動をする際に腰が反り、足の力を発揮しにくい状態となっていました。

そこで、コア(お腹の深層筋)のトレーニングを行い、体の軸の安定性の強化を図りました。

コアが強くなると、体幹がしっかりとするため、本来必要な足の力が発揮しやすい状態になります。

 

③必要な筋肉を使い、必要な力を発揮する練習

足の運動をすると100%の力を反動を使って出すことが癖づいていました。反動にて運動をすることで、腕や腰の筋肉の緊張が高まってしまいます。

本来、歩行では足の力は100%も必要ではありません。

力の発揮の調整が難しく、全ての運動を100%の力でされていたため、歩行に必要な筋力の範囲で力を発揮させる練習を行いました。

 

④胸郭の可動域改善

・足の運動をする際に腕の筋緊張が亢進し、胸郭から肩周囲の柔軟性が低下していました。

・胸郭の柔軟性を高めることで、体幹の崩れが軽減し、腕の筋肉の緊張が緩和しました。

 

上記の4点の運動を集中的に行い、普段の癖ついた姿勢を改善させ、正しい筋肉の使い方、体の動かし方を習得していただきました。

その結果、座位姿勢、立位姿勢が改善し、歩行時の姿勢も左右前後の軸が正中に近づき、きれいな歩き方に近づきました。

このように、普段の何気ない姿勢を見直すことで、姿勢は改善し、効率の良い歩行を獲得できるようになります。

姿勢が崩れるとお悩みの方は、一度普段の姿勢を見直してみてください。

 

★座位姿勢の比較★

 

 

 

 

 

 

 

 

リハビリ前

骨盤・肩甲骨が後ろに引けている

肩が内に入り込んでいる

左足(麻痺側)が外に開き足裏が床から離れている

 

リハビリ後

骨盤が起きるようになり左臀部にも体重が乗っている

肩甲骨の引き込みが軽減し、肩が開くようになった

股関節が中間位となり、足裏が床に接地できるようになった

 

このように座位姿勢が綺麗になることで、起立動作・立位・歩行の姿勢も綺麗になるので、基本が本当に大切です☆

 

自宅でできる気を付けるポイント、自主練習方法!

①寝返り、起き上がり、起立などの基本動作は反動で行わない

・麻痺側の手を忘れるなど無いよう確認し、きっちりと丁寧にコアを使って行う

・起立動作は左右の足に均等に体重を乗せる

ポイント:背中を反らない

→背中を反ると、運動麻痺のパターンにより四肢の筋肉の緊張が亢進してしまう

 

②コアのトレーニング

・上向きで膝立て位で寝た状態で、深呼吸をしながらお腹を凹ませる運動

・お腹が固くなることを感じるまで息を吐き切る

ポイント:麻痺側の足が開いたり閉じたりしないよう真ん中で保持する

足裏の感覚を感じる

 

ご自宅での過ごし方を少し変えるだけでも、姿勢が改善されます。

今回ご紹介した利用者さまは足上げの運動をやめたことで歩き方が改善しました。

姿勢でお悩みの方は、このようにちょっとしたことを気を付ける習慣をつけてみてください。

 

歩き方や自宅での自主練習でお困りの方はぜひ、『脳梗塞リハビリのぞみ・京都』の理学療法士にご相談いただけますとアドバイスさせていただきます♪