疾患別施術方法

脳卒中・脳血管疾患の方

一般的に【脳卒中】と呼ばれる症状には、大きく2つの分類が存在します。一つは、『脳の血管がつまる』ことで起こる【脳梗塞】、もう一つは、『脳の血管が破れ、出血する』ことで起こる【くも膜下出血】です。

脳卒中を発症してしまった方の数は全国で150万人といわれ、毎年25万人以上の方が新たに発症しているといわれています。

日本において心臓病や癌に続き、死に至る原因の第3位に位置付けています。その中でも【寝たきり】の原因の約3割が脳卒中など脳血管疾患であるということが判明しています。

高齢化社会が進むことで脳卒中の患者は増え続けており、2020年には300万人を突破するといわれています。生活習慣病(高脂血症・糖尿病)の患者が増えていることも、増加に拍車をかけています。

脳卒中・脳血管疾患の症状

脳卒中を発症すると、生活に様々な問題が現れ支障をきたし、脳のどのあたりの箇所に症状が現れたかにより現れる症状が変わります。

  • 運動麻痺
  • うまくしゃべれなくなる
  • 人格が変化する
  • めまい・頭痛
  • 平衡感覚が失われる
  • 痙攣
  • 記憶障害
  • 目の異常

運動麻痺など見た目ですぐにわかる症状から、言語機能に支障が出たり、人格が発症前と変化してしまうの等特殊な症状を発症するケースもあります。

脳卒中・脳血管疾患のリハビリ方法

脳卒中発症直後は安静を必要としますが、その後身体が落ち着いた状態になると寝たきりの原因となる廃用症候群の予防のため継続した運動が必要とされます。

早期からリハビリを開始し、専門家から正しいリハビリを受けることで回復に大きく差が生まれます。

パーキンソン病の方

パーキンソン病とは、脳の以上により体を円滑に動かかすために必要な【ドパミン神経】が減少してしまう病です。

人間は身体を動かすとき、脳の大脳皮質という部分から身体を動かすための指令を送り出します。その際、脳からの指令を命令通り円滑に体が動くように調整しているのが神経伝達物質の【ドパミン】です。

その【ドパミン】がうまく生み出されなくなることで、身体のコントロールが効かなくなることで体の動きに様々な支障をきたすようになります。

パーキンソン病の症状

パーキンソン病は筋肉が硬く固まってしまう症状が特徴的です。日本にはおよそ15万人の患者がいるとされ、その多くは高齢者です。

健常者が一般的にイメージする筋肉が固まるというものではなく、神経からの要因が強く、歩行が小刻みになったり、足がすくむといった症状がでます。

パーキンソン病のリハビリについて

パーキンソン病は進行性の病気ですがきちんと運動を行うことで、症状の進行を抑え、運動機能を高めることもかのうです。また、姿勢を改善することで、特徴的な様々ま症状を回復していく事も可能です。

パーキンソン病は特徴的な姿勢や症状をよく知り、正しいストレッチ方法や適度な運動で筋肉をゆるめることで症状を抑え、動きやすくすることができます。もちろん個人差はありますが、継続的に運動を取り入れることがとても大切です。

対処が遅くなるほど運動の効果が反映されにくくなることから、症状の軽いうちから早めはやめの段階でリハビリに取り組むことが重要とされています。

小脳疾患の方

小脳は脳の中では大脳の次に大きな脳です。主に運動機能をコントロールする働きがあり、後頭部に位置しています。

身体を動かす中で感じたことを認知する特徴を持っています。

小脳疾患の症状

小脳の機能が損なわれると主に運動機能や知覚能力に障害を及ぼします。よろよろとした開脚歩行や、手の震え・細かい動きができない、口がうまく回らない、痺れなどの症状が現れます。今まで当たり前にできていたことができなくなるのが特徴です。

小脳疾患を引き起こす病気は自己免疫性疾患や血管障害、脊髄小脳変性症やアルコール性小脳萎縮症があります。

小脳疾患のリハビリ方法

小脳疾患のリハビリでは、小脳の機能を維持するため歩行訓練・バランス訓練・スムーズに手足を動かす訓練などを行います。動作を反復する、中間姿勢の練習、リラクゼーション法やバイオフィードバックも有効です。

寝たきりの状態にならない為にも、筋力を発揮する場面を作ることが大切です。また、持久力低下防止のため有酸素運動、最大筋力の増強には自重を用いたり、ゴムベルトなどを使用する運動方法があります。

骨折の方

骨折の原因の多くは、外力が働いた影響で骨が破損した状態になることで起こります。骨にひびが入った、一部欠ける、凹んだ場合も全て骨折に含まれます。

骨折の主な原因

骨折は主に大きな力が外から加わることで起こりますが、それ以外に、年齢を重ねることで骨が劣化している場合、わずかな力でも骨折してしまいます。このような骨折を病的骨折といいます。

健康な骨でも同じ個所に継続して負荷が加わり続けると骨折を起こします。このような骨折は疲労骨折に分類されます。

骨折のリハビリ方法

以前までは骨折のリハビリはギプスが完全に取れてから開始していましたが、近年ではリハビリは早期開始が良いとされています。一般的に破損した骨をもとの状態に戻すには通常3カ月から半年ほどかかると考えられています。

負傷した骨が繋がる期間の目安は、平均、中手骨が2週間、肋骨が3週間、鎖骨が4週間、上腕骨が5週間、上腕骨幹部が6週間、脛骨が7週間、上腕骨頸部が7週間、下腿骨が8週間、大腿骨幹部が8週間、大腿骨頸部が12週間かかるとされています。

腰痛の方

腰痛には様々なタイプがあり、若い年齢層は急性(ぎっくり腰)のものが多く、高年齢層になると慢性腰痛を抱える方が多くなります。原因としては老化による体幹筋の衰えなどによる姿勢性慢性腰痛が多くあげられます。

脳梗塞リハビリ のぞみ・京都では、整体の本格的な技術を取り入れてリハビリを行いますので、姿勢の根本からの改善を促します。

腰痛には様々なタイプがあります

腰痛に多いとされる症状は、大きく5つあります。

  • 変形性脊椎症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 急性腰痛症(ギックリ腰)
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 脊椎圧迫骨折

また、それ以外にも稀に重い疾患(大動脈解離、化膿性脊髄炎、化膿性椎間板炎、悪性腫瘍の骨への転移、肝臓がん、膵炎、尿管結石、尿路感染症など)により症状が出ていることもあるので、注意が必要です。これらの症状は早急な治療が必要となります。

腰痛のリハビリ方法

腰の痛みが辛いからと言って身体を動かさずにいると、心肺機能が低下してしまったり、下肢筋力低下、骨粗鬆症の症状の悪化につながります。

重度の疾患などで安静にしていなくてはならない場合を除いて、腰痛は運動療法と、整体・鍼を組み合わせた施術でより効果的なリハビリを行います。

リハビリは継続して行うことでより効果を発揮します。無理のない範囲で続け、理想の状態に近づけていきましょう。

認知症の方

認知症の症状のある方は適度に運動療法を取り入れて頂くことで、認知機能の向上や身体を動かすことでのストレス解消・心身の安定を得る効果が期待できます。

脳梗塞リハビリ のぞみ・京都では、様々な取り組みで認知症のリハビリをサポートします。

認知症には様々なタイプがあります。

日本ではアルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症が3大認知症といわれています。なかでも、一般によく知られているアルツハイマー型認知症は、全体の6割以上を占めています。

他にも、前頭側頭型認知症や、血管性認知症とアルツハイマー型認知症が混ざったタイプなども見られ、様々なタイプがあります。

認知症の症状は記憶障害、実際に存在しないものや人物が見える(幻視)、人物誤認、動作が鈍くなる、転びやすい、判断力が低下する、論理的思考力の低下など様々なものがあげられます。

また、行動が困難になるほどの無気力状態になるケースもあります。

認知症のリハビリ方法

認知症のリハビリには、軽い有酸素運動(ウォーキング、自転車など)が効果的であるとされています。運動をすることにより脳内の血流が活性化し、酸素量が増加することで脳細胞にポジティブな効果をもたらす可能性が高いといわれています。

また、運動の頻度は、高負荷の運動を一度にたくさん行うより、短時間の軽い運動を無理のない範囲で週3回ほど行う方が脳に良い影響を与えます。毎日の運動が理想的ではありますが、まずは無理せず継続することが大切です。

運動による認知症への効果は、多くの場合1年ほど続けると現れるといわれています。また、運動と同時に頭も使う『コグニサイズ』といわれる運動療法が通常の運動より効果的であるとリハビリに取り入れることを推奨されています。

糖尿病の方

糖尿病とは、インスリンの分泌がうまく機能しないことで起こります。

インスリンが働かないことで血液中のブドウ糖(血糖)が増加してしまい、様々な合併症状を引き起こします。

糖尿病の症状

糖尿病の状態を長い間放置すると、血管が傷つけられ、心臓病や失明、腎不全、足の切断といったより重度の合併症を引き起こします。また、著しく高い血糖値は、合併症だけでなくそれだけで昏睡など起こす危険性もあります。

糖尿病のリハビリ方法

糖尿病のリハビリとして有効とされているのは筋力トレーニングと有酸素運動です。有酸素運動でブドウ糖が細胞に取り込まれやすくなり、インスリンの効果が高まります。その結果血糖値が下がりやすくなります。

この効果は3日程度で、継続して運動を続けていく必要があります。

脊髄損傷の方

脊髄とは、人間の身体の中でも多くの神経が集まっている組織です。中でも手足を動かしたり、痛みや温度を感じ取る役割があります。

事故などが原因で脊髄を損傷することを脊髄損傷といいます。

脊髄を損傷してしまったら

何らかの原因で脊髄損傷が生じてしまうと、手足の麻痺や感覚(痛み、触覚)がなくなるなど生活に大きく支障をきたす後遺症が残る可能性があります。脊髄損傷が起こる原因の多くは、交通事故や高いところからの落下、転倒があげられます。

脊髄損傷のリハビリ方法

急性期は損傷を最小限に抑えるため態勢を安定さながら、合併症を予防するために頻繁な体位変換や呼吸訓練、関節が硬化しないように関節稼動訓練を行います。今後どのような後遺症があるか急性期から予測し、早期から対応を考えます。

急性期が過ぎ、全身の状態が安定すればより積極的なリハビリが開始されます。後遺症は損傷した箇所により異なります。

比較的早期にどのような後遺症が残るか判明することが多いため、それに向けてより具体的な対応を取り入れてリハビリを行います。

残念ながら現代の医療技術では脊髄損傷で起こる障害をもとの状態に戻すことは極めて困難です。そのため元に戻すのではなく、今後の生活の自立度を上げるための身体作りを専門の知識をもったスタッフと連携をしっかりととりながら進めていきます。

呼吸器疾患の方

呼吸器疾患とは、呼吸器(上気道、気管、気管支、肺、胸膜など)に異常がでる病の事です。

身体の機能が衰えた高齢の方は、呼吸がしづらい、息苦しいなどの症状を訴える場合もあります。その際、身体を動かすのが辛いからといって外出など控えるようになると、ますます症状が酷くなるという悪循環になります。そのため、呼吸器の運動機能を向上させるためのリハビリを取り入れます。

様々な呼吸器疾患

呼吸器のリハビリが必要な疾患は、肺気腫、慢性気管支炎、慢性閉塞肺疾患、肺炎、食道や肺の手術後などがあげられます。

呼吸器疾患の方のリハビリ方法

呼吸器のリハビリは、まず正しい呼吸法の習得を行います。一つ目は『腹式呼吸』です。正しい腹式呼吸の方法を習得すると、呼吸の換気量が増加し、効率的に呼吸を行うことができます。

二つ目は口をすぼめる呼吸法です。呼吸器疾患のある方は気道が細くふさがりやすいため、口をすぼめた呼吸法で拡張していきます。

また、呼吸器の運動機能の向上には有酸素運動も効果的です。軽いウォーキングなどで足腰の筋肉を鍛え、心肺機能が向上すると呼吸がしやすくなります。呼吸筋のストレッチ方法なども積極的に取り入れていきましょう。